故郷からの届けもの-沖縄

生まれ故郷・愛媛県にある小さな漁村で、
祖父母や父母の営んできた暮らしを大切にしながら心豊かに幸せに過ごしたい―
藤田圭子さんは、こんな当たり前の想いを実現する方法を探りたくて東京の大学に進学した。
しかし4年生になり、就職活動を続けるなかで、その難しさはいよいよ現実になっている。
なによりも、故郷の人たちに「帰ってこないほうがいいよ」といわれてしまうのだ。
故郷に帰って暮らすことさえできない地方の現実に、「なぜ?」と問いかける。

「豊かさ」「幸せ」という言葉が持つ意味を考えるとき、私の思考回路は故郷の暮らしに行き着く。

私の故郷は、愛媛県宇和島市の南西にある漁村集落。
一歩、家を出れば道路を挟んで海がある。
家の後ろには「耕して天に至る」といわれる階段状の畑、段々畑が山の頂上まで拓かれている。
そんな故郷の1年は四季の変遷を多いに満喫することができる。
そして、毎日、毎年異なる風景を私たちに与えてくれる。
微々たる変化かもしれないが、その変化に気づくことを楽しみたいと思う。
春が来ることを木々の幹の変化で知る嬉しさ。
夏に「海の暴れん坊将軍」と化す喜び。
秋の山に、色の移ろいを感じる幸せ。
冬の寒い日、海面から湯気を出るのを目にした感動。
刻々と変化する潮の踊りを見る楽しみ。
いろんな楽しみが故郷には溢れていた。
自然だけでなく、その土地に住む人々に囲まれて育った時間もまた幸せだった。
些細な井戸端会議であっても、人々の暮らしや地域の歴史を垣間見ることができた。
遊びにいった友だちの家でご飯を食べること、
その逆に友だちがわが家の一員となることも日常茶飯事だった。

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